『 Merieuxが3killすると勝つ』って本当?
目次
※時間がない人は 考察以下のトピックセンテンスだけでも読んで!
前書き
野良連合ESL部門がNAリージョントップチームのRogueを破り見事season7finalの雪辱を果たし、日本初のbest4という歴史的記録を打ち出した瞬間はあまりにも記憶に新しい。
proleague、APAC final、proleague finalと配信を通して印象に残るシーンはたくさんあるが、筆者は特にMerieux選手の圧倒的clutchやWokka選手のアグレッシブなピーキングに目を惹かれた。
『Merieuxが3killすると勝つ』-この言葉は プロリーグ配信にて1人で防衛するにはあまりにも過酷は場所を1人で守り切り、あげく1人で 3人も倒してしまうスーパープレイに驚嘆し実況のふり~だ氏が思わず発してしまったものである。
生じる疑問とはやはり”その言葉は”は本当か?であろう。 本記事ではその点を踏まえ、
『ロールごとのkillがどれほど 勝敗に影響するのか』
について推定し以下の結果を得た。
Merieux選手が3killすると勝つのは本当
防衛ではMerieux,RayCyil選手攻撃ではWokka,Papiliq選手
が特にキーパーソンである。
firstkillは勝敗には直接影響しない
分析方法
データソースはseason8 APAC final,proleague finalで行われた計94ラウンド
各ラウンドごとに選手のキル数、FirstKillの有無、ラウンド取得の有無を記録。
選手のkillがどれほど勝利に貢献するかを重回帰分析で推定。また分析は防衛,
攻撃を分けて行った。
(有意水準は5%)
モデルや変数は以下に記した。
モデル;
変数名;
推定結果
防衛
攻撃
※ハット記号忘れてましたm(__)m
考察
Merieux選手が3killすると100%勝つ!
全ての選手において誰かが3killをすると勝率100%で
強豪FaZe Clan相手でも例外ではない
各選手が3kill以上を取ったラウンド数は下図の通りである。
3kill以上したラウンドは全て勝利している。Merieux選手の回数が最も多く、 イメージだけでなく数字からも前述の言葉が正しいことがわかる。
1人で3kill以上するときは敵のカバーにも撃ち勝ったり、敵を翻弄する自由自在な ローミングにより、
人数差を早い段階で作っている為、ラウンド勝利に繋がりやすいと 考えられる。
(何それつんよー!!
と思わず声を上げてしまう
スーパークラッチも少々...)
FirstKillは勝敗に影響しない
カバーにより人数差を作らないことが最優先
『FirstKillを取られないように意識しよう』-プロのみならずR6Sをプレイする者なら 一度は考えたことがあるのではないだろうか。
FirstKillを取ったチームが試合展開をより有利に運ぶことができる。 もはやこれは議論を待つまでもない世界共通認識である。
が、しかし結果は違った
防衛でのFKの係数はt値は統計的有意性はなく、また攻撃のFKはマイナス値であり、 FirstKillを取られたほうが勝率が高いという結果になった。
攻撃のFirstKill取得率は77%に対し、ラウンド取得率は49%である。 FAZE戦にいたっては、FirstKillを取る確率は70%に対しそのラウンドの勝率は10%であった。
以上のことからも、R6Sは戦力よりも戦術が重要なタイトルであることが分かる。
FirstKillの有無よりもカバーが遅れて人数差をつけられることのほうが勝敗に大きく影響するのである。
Wokka,Papiliq選手が攻撃の要
フラッガー、アタッカーのWokka、Papiliq選手が勝利に貢献。 Merieux選手は攻撃でも撃ち合いの強さを発揮
Wokka選手は生存率も高く、チーム最大の影響力
ブラジリアンスタイルのハードなピーキングと世界にも引けを取らないエイム力 も相まって野良連合の撃ち合い力の水準は日本国内ではトップクラスである。
エントリーフラッガーとして試合を最初に動かすPapiliq選手にWokka,Merieux選手が続き 彼らのkillでゲームメイキングされる場合が多い。
銀行2階攻めでのWokka選手のNラペのカバーを例に、RayCyil選手はルーカー、サポート役よりの立ち回り をすることもあったのでkill数のみで推定された場合係数は低くなった。 JJ選手も同様である。
RayCyil,Merieux選手が防衛の要
Merieux選手がチーム最大の影響力、次いでRayCyil選手が活躍
JJ選手のkillはWokka、Papiliq選手のkillの2倍以上の価値がある
攻撃だけでなく防衛でも高いスタッツを誇るMerieux選手はリテイクやローミングのカバーや 現地守りも幅広くこなすことができ、終盤での勝敗に直結するような大切な撃ち合いをすること が多く係数が高くなった。
防衛の推定結果で最も興味深い事実はJJ選手のkillと係数の関係である。
上の表は防衛でのkill数と推定結果の係数を並べたものであるが、JJ選手とWokka選手に 注目して見て欲しい。Wokka選手はJJ選手より2倍もkillをしているのにも関わらず、 JJ選手とほとんど係数が変わらないということを示している。
Wokka選手はフリーローミングや現地以外の防衛などをすることが多く、killをたくさん稼いでいるが 前述の通り、FirstKillは直接勝敗に影響しなかったり、killした直後にカバーをされることもあるので 防衛の勝敗への影響力は低い。
ラウンド敗北時もkillを取ることが多く、負のバイアスがかかってしまった可能性もある。
それとは対照的に現地に籠ることが多いJJ選手はkill数自体は他の選手ほど取らないが、 『ここを突破されると負けてしまう』といった勝敗に直結する終盤の撃ち合いをすることが 多く、防衛時のJJ選手のkillは勝利と強い正の相関がある。
後書き
最後まで読んで頂きありがとうございます。
今回は攻撃、防衛でのロースターごとのkllが勝敗にどれだけ影響するか検証しました。
今回の推定はkill数のみで、簡易的なものでありこの結果が選手の能力を確定付けるものではありません。
今後も継続的にR6Sに関する面白い検証をしていくので是非twitterをフォローして下さい。